駐車場を科学する⑤ 技術のチカラ 進歩と変化

時間貸し駐車場と技術

前回、書いたとおり、必要なときに必要なだけ駐車スペースを提供するには機械技術の力が必要だった。そのシステムを開発したのは日本信号という一部上場会社におられた坂田さんという方だった。当時(平成6年頃)は既にタイムズに移籍されておられ、同社の事業拡大の最前線におられた。

と書くと、当時から存じ上げていたように思われるかもしれないが、当時は、その辺のことは全く知らないで、専ら概念的に事業スキームを組み立てていった。うかつにもタイムズの存在すら知らなかったのである。後年、詳細を知ることになり、坂田さんには失礼をお詫びすると共に、深く御礼申し上げた。

現在、我が国で時間貸し駐車場が猖獗を窮めているのは、ひとえに同氏のお蔭であり、業界あげて顕彰すべきだと思っている。

いろいろ事情があり、我々の事業では日本信号のシステムは採用しなかった。

独自開発せざるを得なかったのである。ただ、この開発には苦労した。多くの方々の協力もいただき、自分でも研究した。今でも当時の苦労話を肴にガンガン呑めるほどである。

しかし、ここで指摘したいのは、そんな機械式の入出庫管理機器の話ではない。

その後、技術はとんでもない進歩を遂げ、更に、その進歩も霞むほど、事業構造が変わってきてしまっている。

次回は、ここ最近の技術の進歩と、更にインフラの変化について考えたい。