駐車場を科学する⑪ リパークを例にとって

このところ、時代の動きが速いので、駐車場に関しても未来論的は記述が多くなってしまいました。
ここで少し立ち止まり、昔話をすることをお許し下さい。
我が国の時間貸し駐車場の歴史というような大袈裟なことは書けませんが、リパークの揺籃期について少々コメントさせていただきたいと思います。

今から20年以上前、何かの折りに香港に行きました。まだ英国領の頃で今とはだいぶ違いますが、それでも憧れのノーマン・フォスターの設計による「香港上海銀行本店」など見学し、なかなか良い経験をさせて貰ったのですが、街を歩いていると矢鱈と目に付く建物がありました。それが Wilson Parking という駐車場ビルだったのです。
香港のあの狭い街で、あの膨大な駐車ニーズをどう吸収するか、WilsonParkingは見事にその解を示していました。
不動産屋だった私は当然、胸がときめきます。誰がやっているのか?どれくらいあるのか?どんなシステムなのか?矢継ぎ早に質問したのですが、当時の我が社の駐在員は答えられませんでした。当然ですよね。私だって「都市」の諸問題については問題意識は高かったものの、特に駐車場に興味があったわけではありませんから、現地の駐在員が関心のあろうはずがありません。ただ、経営しているのは サン・ホン・カイとかいう不動産屋のグループで相当デカい会社だ、香港だけでなくオセアニアの方でもやっている、という話でした。夜目にもくっきりと浮かび上がるWilsonParkingの文字、香港を離れてもいつまでもそのイメージは私の中に残っていました。


その後、リパークを創業した時は、遺憾ながら日本では二番煎じのようになってしまいましたが(この経緯についてはまた別稿で触れましょう)、私の頭の中のモデルは香港のWilsonParkingであり、ビル型だったのです。
そうこうしている内に、私自身、駐車場事業を始めることになりました。
種々検討の結果、今日のような形態になりましたが、ただ、都市型駐車場のモデルとしてWilsonParkingは非常に有力なモデルだった、しかも、今、ようやく我が国でも大型ビルの地下駐車場が一般利用に開放されてワークしだした、ということを書き添えます。

WilsonParkingについては、https://en.wikipedia.org/wiki/Wilson_Parking

             http://www.omiya-p.co.jp/australia_1.html

サンホンカイについては、Sun Hung Kai Properties - Wikipedia、

            Sun Hung Kai Properties - Home

等をご参照下さい。