駐車場を科学する⑰ リパークを例にとって

ということで、メガパーキングを始めたわけですが、そのための武器となったのが、「ドクター リパーク」です。
デジタルの画像が残っていないので、そのイメージを載せることが出来ませんが、普段使っていたMr.リパークに、白衣を着せ、おでこに丸い鏡、首からは聴診器を下げた可愛いイメージのキャラをデザインしました。要はお医者さんに譬えて、駐車場の利用状況の診断システムを作ったのです。

1日のうち、何時間利用されているか、どの時間帯が混んでいるのか、1週間ではどんな動きになっているか、等を診断し、記録するシステムです。
なんでこんなことを行ったか?

街を歩いていて、駐車場を見掛けることは間々あると思います。どれくらい入庫していますか?多くの場合、まだまだ空きが多い筈です。
月極め駐車場の場合、夜間は停めておく必要があるものの、昼間は、クルマは営業のため駆り出され、空いてしまっているわけです。一方、時間貸しの駐車場は、まさに仕事のためにあるわけで、昼間の活用は多いが夜は自分の駐車場に帰るので利用は少ない。
但し、これらの比率等は立地によって異なるため、矢張り実地に調査し診断する必要があったのです。
時間貸しだけでなく、大規模な月極め専用駐車場の場合も、本当は何台分用意すれば良いのか分からない。これも調査が必要です。
そこでリアルな利用状況を把握するために、ドクターリパークという診断システムを考えたというわけです。
現実には、月極め専用の駐車場だったら観測員が現地に赴き、目視で調査しました。出入庫の記録についてはノートでは埒が明かないので、TQC、現実の品質管理、その他物流計測等で使われていた機器類を探し、九州松下のハンディ記録器などを利用していました。ゲート型大規模駐車場などは、精算機に付いている「ジャーナル」などを利用し、分析しました。

調査結果は、数字でも残しますが、棒グラフ、折れ線グラフで表現します。すると、上の方に棒が伸びてない空白のところが出てくるわけですが、ここが車室の未利用時間となります。駐車場の賃料、電気代その他の管理費は、全車室に一律に掛かってきます。それなのに、未利用!この部分なら利用すればするほど、収益に寄与することになります。たとえ1時間10円でも、一晩、100円でも。
こうして、駐車場の利用状況を把握することができます。それに伴い、価格設定、利用形態(夜のみ利用等)も考えることができます。
混合型メガの場合は、どれくらい時間貸しのキャパを設定するか、オール月極めの場合は、何パーセント、契約台数を増やすことができるか、データに基づいて確信を持って決定できるようになったのです。
いざ、始めてみると、左程難しいことではありません。しかし、我々が計測システムを導入する前は、誰もやっていなかったのではないでしょうか。
そこで、一応、ドクターリパークのアルゴリズムを特許申請しました。ご案内のとおり、申請することと特許が認めれることは全く別次元ですが、それでも特許申請中とは謳えるわけです。さあ、やるぞ!と腹を決めて営業活動に邁進したのです。