駐車場を科学する。⑳ リパークを例にとって

物量的に考えることについて、ドクターリパークについては前回のように考えましたが、そもそも時間貸し駐車場を事業化するとき、どう考えたかについて書きます。

時間貸し駐車場のビジネスを考えたとき、まず、クルマってどのくらい、水平投影面積を食うんだろう、と考えました。一つには車室の大きさの問題もあったのですが、そもそも、こんな代物がどれだけ、我が国の希少な平面空間を食っているんだろうと疑問を持ったからです。
軽自動車で全長3.4m以下・幅1.48m以下とされています。5ナンバーで全長4.7m以下、かつ全幅1.7m以下、当然、目一杯とりますから、以下といってもこれが大きさです。3ナンバーはこれを超える、ということでしょうね。
私は身長1.79m、横幅は測っていませんが、多分1mは無いでしょう。これでも日本人としては大きな方です。
これを水平投影面積で比べると、軽自動車の面積の中に何人立てるか、軽は3.4×1.48=5.032ですから人間を1×0.5=0.5とすると10人はいけます。また寝ても人間は1.8×1=1.8として、これで割ると2.795…となります。まあ3人は寝られますね。この軽自動車が何台走っているかというと今年は3千万台以上走っているし、バス・トラックとかを含めると7千8百万台以上走っている。人口は1億2千万人以上と言っても水平投影面積では勝負にならない。
しかも、それらが猛烈な勢いで動き回っている。「家」の合計総面積も大きいでしょうが、これはクルマの方が面積を食うんだろうな、と思いました。
不動産屋は、どうしても水平投影面積を基本に考えます。そんな観点から考えるとこの巨大な面積食いを制御するには、不動産屋が立ち上がるしかない、と考えたわけです。
そしてこの巨大な面積食いを対象にしたら、それらが貴重な水平空間資源を消費するとしたら、結構大きな事業になるんじゃないだろうか、と考えた次第です。
(まだ、自動車すべての稼働時間は計測されていません。しかし、例えば駐車時間が平均6時間とすると、7千8百万台×6時間/24時間=1950万台、これに水平投影面積を掛けると必要面積が出ますよね。勿論、静的には、自家用の駐車場で賄っているわけでが、滲み出てくる需要だけでも相当ある、と踏んだわけです。)

原始的といえば原始的ですが、事業のアウトラインを掴むときはこんなもんで許して下さい。このサイズ感を基に、企画立案していきました。