駐車場を科学する。㉒ リパークを例にとって

『タスク補完型事業開発』とは言いましたが、現実にはどういうことか。

当時の、多分今も、我が社のタスクは、空間価値の適切な配分、流通でした。
空間価値は、二面あって一つは現実の利用性、もう一つは投資価値です。
その二つの空間価値の創造、配分、保持、改良等に資する(必要な)事業で、やっていないものは何か?
それらをリストアップし、まだ手掛けていない分野、不十分な分野をあぶりだします。
そこに出てきた分野で、その時点で市場性がある事業をやろう、と考えると、新規事業が浮かび上がるわけです。
(当時でも、賃貸関係、リフォーム関係、商業その他の業務関係等で手付かずの分野はかなりあることを思い知らされ、少々落ち込みました。)

但し、それらをどう組み立てれば=事業化すれば、タスクに寄与するか、かなり繊細な吟味が必要です。
また、どのように事業を経営すれば効果的か、シナジー効果も生み出す必要があります。

駐車場については、どのように考えたら良いか。
家とクルマ、この二つは親和性があります。両方とも人間のシェルです。片方は静的、もう片方は動的、この両者が相俟って人々の生活が形成されます。家は、クルマがあって価値を増すと言えましょう。ですから家の販売のとき、車庫の有無が問われるわけです。
これを社会という次元で考えると、駐車場があるから街の価値が上がる、上がらないまでも価値を持続できる、ということも言えるのではないか。
車庫とか駐車場は、動的な世界と静的な世界をつなぐ結節点のようなものだったのです。

牽強付会のそしりは免れないでしょうが、そんなロジックを立てました。
一見、関係のないと思っていた 家と駐車場、これで論理的整理はついた、ではこれで進めよう、とはなりませんでした。

まだまだ整理事項はあったのです。それは継続性蓄積性です。