駐車場を科学する⑬ リパークを例にとって

我が国の駐車ニーズとはどんなものか?

今、街を見渡せば、駐車場だらけです。
テレビで街の風景を写すと、しょっちゅう「リパーク」の看板が出てきます。そうでなくとも他社の看板が写ります。時間貸しの駐車場は、もうすっかり街の風景の一部として馴染んできました。
では、何故、こんなに普及したのでしょう。

当初(1993年頃)、私は時間貸しの駐車場事業をやるか、やらないか色々な観点から考えました。
そのとき、先ず考えたのは、人は何故駐車するのか、という動機論です。
しかし、これは悩むほどのことではありませんでした。それは何故、クルマが必要かという理由の裏側で、どこかへ行って何かしたいからです。用事があるからです。
ということは、クルマが停まっている時に人は何かするわけで、言ってみれば、クルマは停まってなんぼ、という存在なのだなあ、とつくづく思いました。

では、何処に停まりたいか、当然、用事のある地点のすぐソバです。Aさんに用事があれば、Aさんの家の前、ビルの5階だったら5階の入り口の前に停まりたいのだと思います。
(ついに、自宅の中まで車で行けるマンションが出来るという情報には驚きました。台北の話ですが、とうとうと言う感じですね。)http://www.kumagaigumi.co.jp/press/2013/pr_130926_1.html

前々回、香港の駐車場のことを書きましたが、我が国の場合、この目的地隣接、という要件が必要なので、モデルを少々修正する必要が出てきました。仮にですが、目的地まで片道徒歩3分とすると、1分80メートルですから80×3=240メートル、要は半径240メートルの円で埋め尽くされている必要がある、ということです。
更に大雑把に考えて、一辺500メートルのメッシュの中に1ヵ所は必要だと考えると、東京23区の面積が619キロ平米だと言われているので、619÷0.25=約2500、区部だけでも最低2500ヵ所必要だ、ということになります。当然、3分も歩きたくないわけですから、多分、この2倍や3倍は必要なんだろうな、と考えました。これが全国となるとどんな風になるんだろう、ちょっとした規模だなあ、と感慨にふけったことを思い出します。
停めたいところは半径240メートルとして、そこに何台停まりたいかはまた別問題です。キャパシティというか駐車場の収容台数ですね。ここは3台分で良い、ここは20台分は必要だ、そんなイメージです。では、こんなバラバラの規模の駐車場をどのように管理すれば良いのか、次に出てきたのは、この運営の問題でした。

仲間とこの問題を議論すると、つまみ要らずでどんどんビールが進みます。
では、どうやって解決したか、次回、述べます。