駐車場を科学する⑩ リパークを例にとって

 前回から間が空いてしまいました。
前回は、時間貸し駐車場が、「シェアリングエコノミー」になったらどうなるか、を書きたい、と書きました。
1回目に書いたとおり、この事業は本来的にシェアリングエコノミーだったわけですから、今更の感はありますが、シェアリングエコノミーになると、何と言っても、事業の主体が「ドライバー」さんになります。具体的には、色んな使い勝手が運転者側の便利が良いように決められていきます。
確かに、競争環境の中で選ばれる駐車場として運転者に配慮する、ということは以前から、また今でも、行われています。ただ、それはあくまで、他の駐車場に勝つための方方策であり、勝ってしまえばそこで終わりです。
シェアリングで、ご主人様が運転者側になった場合、使い勝手の向上には上限がありません。
サービスの水準は往々にして時代の意識によって変わり、経済条件によって変わるとは限りません。そんな非経済条件によっても運転者側の要求により、駐車場の運営はどんどん変わっていくでしょう。
その中でも、多分、料金の支払方法については運転者サイドの都合が優先された方法になると思います。もう、とっくにキャッシュレスの時代なのですから。
確かにキャッシュレスにすると経済的に一番メリットを享受するのは事業者でしょう。
現金を回収することは本当に大変で、しかも常に盗難の危険に晒されているのですから。
ただ、事業者はそうはしません。何故なら、既に膨大な投資をしてしまっているからです。
お蔭で、一部の駐車場を除き、現金を用意しなければなりませんし、いずれにしろ駐車場管理機器の場所で、行動が一旦、止まってしまいます。気持ち的に疲れる!
その他、駐車したい人々の間に連帯感が生まれます。そこでは「駐車」をフックとした新たなビジネスが生まれる可能性があります。例えば、その駐車場の近隣の案内です。
美味しいレストラン、面白いものを売っているショップ、その他マッサージ、医院なんでも考えられます。それらについて、入庫した瞬間、出庫しようとした瞬間に訴求できることになります。
多分、観る方向を変えただけで相当、色々出てくるでしょう。

現在は、徐々に寡占が始まっている状況です。急にシェアリングエコノミーにはならないでしょうが、方向は見えてきた、と言えるのではないでしょうか。